改造ポケモンの改造判断ポイントや見分け方について
第4世代編とありますが、続編(他の世代)はたぶんありません
目次
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1.はじめに
1-1.改造判断の現状
(完全には)改造の判別は不可能である
しかしながら、杜撰な改造個体については判別できるにも関わらず、
非正規個体を蒙昧な自己基準で判定を出している人が多数見受けられます
(乱数調整を含む)通常プレイの範囲内で再現可能な個体であるか判断し、
判別精度を高くすることが可能であり、本記事はその方法の紹介となります
1-2.スマホ対応について
調査に必要なツールは『全てWEB上』で動作するため、スマホのみで完結できる手順となっています
PCがないから改造判断は手を抜いても良いは理由になりません
2.免責
2-1.改造ツールについて
調査や仕様の説明の都合上、改造ツールに関する言及がありますが、
改造行為を推奨しているものではありません
2-2.本記事で判断できる範囲
第4世代の伝説のポケモンなどが対象
3.使用ツール
4.用語説明
性格値
性格値
ポケモン1匹1匹に付与されている内部値の1種
※マイナンバー*1みたいなイメージ
第4世代の場合、性格値から個体値や性格(など)を特定可能である
性格値は約42億しかないため、出ない組み合わせが存在する
裏ID
裏ID
色違い判定に使われる内部値の1種
セーブデータ作成時にトレーナーカードに記載されるID*5が決定されるが、同時に裏IDも決まっている
表IDと裏IDの組み合わせが現実的な範囲で存在するか確認する
(初期)seed
seed
乱数列の初期値をさす
この初期値に対して処理*6を行う行動が乱数消費である
この処理を繰り返して生成された結果は一見ランダムに見える(疑似乱数)
5.調査用の個体
6.ポケモンホーム上での確認
6-1.ポケモンホームでエラーコードが出る場合
エラーコード:10015
6-2.ポケモンホームから判断
主な確認ポイント
①ボール
②名前(ニックネーム)
③レベル
④国籍
⑤最後にいたタイトル
⑥連れて行ったことがあるタイトル
⑦色違い
⑧産地マーク(出身マーク)
⑨個体値
➉親名
⑪ID(トレーナーID含む)
⑫出会った日付
⑬出会った地方
⑭出会った場所
⑮リボン・証
①ボール
単独では判断がつきにくい要素だが、他の要素を考慮すると判断材料となる
解禁された世代だけで判断せずに、実際に使えるかどうかも確認すること
ドリームボール
第5世代(BW/BW2)から登場したが、色伝説との両立は第8世代(剣盾)からである
第5世代では使用できる場所はPDW*7・ARサーチャーと限定的であり、この2つは色違いが出ない仕様のため『色違い』+『伝説』は両立不可である
第8世代(剣盾)以降では通常アイテムとして入手可能となり、
DA*8で色違い伝説のポケモンが出現するため、色違いとの両立が可能になった
ガンテツボール
初登場は第2世代(金銀)からだが、第3世代以降へ通信不可のため、
実質的には第4世代(HGSS)からとも言える
第4世代のガンテツボールは持たせることができない仕様であり、シンオウ地方には持ち込めない*9
②名前(ニックネーム)
SVでは人から貰ったポケモンでも(条件次第で)変更可能である
※ミラクル交換入手ではない・一度も変更していないこと
配布ポケモンの場合は、SVでは変更不可であるが、
過去作世代では条件を満たせば変更可能である
今回の空白文字は過去作限定の文字(顔文字)を使用している
③レベル
(場所:BW2 自然保護区)
④国籍
(画像:ウルトラサンムーン初期化時)
最初から始めた時に選んだ言語のこと
別言語のソフトに送って進化した場合は、
ニックネーム(NN)がなければ進化先の言語になる
※【注意】NNがない場合ポケモンバンク→ポケモンホームに送ると国籍のデフォルト名に戻る仕様
⑤最後にいたタイトル
⑥連れて行ったことがあるタイトル
⑤と混同しがちだが、ポケモンホームから連れ出したことがあるソフトが表示される
※過去作から連れてきた個体はポケモンバンク
対象ソフトに切り替えるとそれぞれのステータスが表示される
※例:レジェンドアルセウスなら『がんばり度』が表示される
⑦色違い
SVの伝説のポケモンは光らない仕様など、
色違いブロックルーチンがあるか確認すること
⑧産地マーク(出身マーク)
⑨個体値
『理想個体は改造』というのは、あくまで『傾向』でしかない
理想個体以外でも改造個体の場合も多く、それ以外の要素も含めて判断が必要
■伝説のポケモン
第5世代以前は6Vの確率は32⁶=約10億分の1である
第6世代(XY)以降は3V以上固定となり約33000分の1に下がったが、
今作(SV)ではその仕様がなくなった(元に戻った)
■配布ポケモン
伝説同様に6世代以降は無性別のポケモンは3V以上固定
一部の個体は個体値が確定している場合があるので、各配布情報を確認する必要がある
■銀の王冠・金の王冠
7世代(サンムーン)から登場したアイテム
使用箇所は『きたえた』の表記となり、ステータスが個体値31『さいこう』と同値となる仕様のため、元の個体値が判別できなくなる
※孵化できる場合は例外
➉親名
改造個体に多い親名などは、ネット上でまとめられているので割愛
主に『.net』『.com』など、URL系のものはアウトだと考えた方が良い
あくまで『傾向』であり、『確証』とはならないので注意
⑪ID(トレーナーID)
入手したポケモンはトレーナーIDが反映される
■概要
SVの場合、IDの桁数が1桁~6桁(0~999999)という範囲である
■トレーナーIDの仕様
もともとは5桁の表IDがトレーナーIDであったが、
第7世代(サンムーン)以降からは表IDと裏IDを特定の計算式に当てはめて6桁のIDに変換したものがトレーナーIDとなっている
■SVの独自仕様
先頭の0は消える0詰めがされるため、4桁未満になる場合がある
■Laの仕様?
レジェンドアルセウスでは、SV→Laに送ったポケモンは5桁のID(表ID)が表示される仕様がある(どう考えてもプログラムのミス)←そう思う
⑫出会った日付
ポケモンを入手した時の本体時間を参照している
(本体時間を変更していれば、過去/未来の日付になる)
4世代以前のポケモンはBWの『ポケシフター』を使用したDS本体時間が参照される
配布ポケモンは各ソフトによるため、下記記事にて説明
⑬出会った地方
⑭出会った場所
入手した場所が原則表示されるが、いくつか例外が存在する
■SVのドーブルコピーバグ
好戦的なポケモンは出現場所から離れても追ってくるため、確定した証拠とはならない
■4世代以前のポケモン
原則『ポケシフター』となるが、クラウン3犬や配布セレビィなど表記が異なるポケモン*11もいる
■(第5世代以降の)配布ポケモン
『とくべつな場所』など配布による独自の表記になる
各配布の項目を確認することで、改造判断ポイントの1つとなる
⑮リボン・証
(画像例:ビクティニ (ビクトリー) - ポケモンWiki)
改造判断ポイントの1つ
■リボン
よく言われるのは『リボンコンプ個体は改造!』
※あくまでに傾向に過ぎない
配布ポケモンには特別なリボンがあるため、GTSやミラクル交換に出すことができないが、一部の配布個体には特別なリボンがなくGTS交換に出せる個体も存在する
■証
第8世代(剣盾)以降に登場した
後天的に入手できる証を除き、重複しない仕様
今回の個体情報
調査手順はここから
7.調査手順
7-1.性格値を特定する
■ポイント
『個体値』と『性格』から『性格値』を特定する
Lv100にして個体値を完全特定する
使用しましょう
個体値計算ツールに情報を反映する
乱数逆算ツールに情報を反映する
seed値から性格値を特定する
乱数→ステータスを開く
表示項目の『表示項目の表示・非表示』をタップして、
『seed』と『性格値』にチェックを入れる
『初期seed』の入力欄に乱数逆算ツールで特定したseed値を入力する
『リスト出力』をタップすると、結果が表示される
全ての候補の性格値を特定する
全ての候補の性格値を特定する
今回は2つseed値があるため、それぞれ性格値特定を行う
■特定結果
seed値→性格値
- 0xd2803c84→0x0522d280
- 0xf4b66ba9→0xf42ff4b6
以降は色違いの場合の手順
7-2.通常プレイの範囲内で入手可能か判断
ID乱数の初期seedを特定する
該当なしの場合
性格値候補①0x0522d280の場合はID乱数の初期seedは該当なし
他に候補の性格値がある場合は全て試す
正規では存在しない個体
候補がある場合
格値候補②0x0f42ff4b6場合はID乱数の初期seedが複数候補あり
次の手順で通常プレイの範囲内で存在するか確認を行う
初期seedの待機時間から判断する
■判断ポイント
ソフト開始からID決定まで最短約1分*14
名前や操作に手間取っても数分で完結する工程であるため、
何十分以上もかかっている候補はゲーム仕様上は存在するが、改造の可能性が濃厚と判断可能である
今回のID乱数の初期seed
候補②0x5B121F99の場合
(ネタバレですが)今回使用した初期seedは2分程度の待機時間であり、
現実的な範囲内と言える
8.【上級者向け】例外仕様など
8-1.メロメロボディ
■【補足】約2割で色違いが出る原理
特定の数字のIDは、色違いが出やすいと誤認されているが、
正しくは性格値の変更先が色違いになるようにID乱数を行ったIDが光りやすくなる
このため、特定の数字は、トリガーではありません
8-2.マナフィ
特定例
■対象個体
■性格値を特定
個体値と性格の情報から性格値を特定する
■ID乱数の時間を確認
性格値からID乱数の初期seed候補を探し、
現実的な待機時間で乱数調整可能か判断する
今回のIDは、約5分待機が必要であり現実的な範囲である
【例外】(性格値)再計算マナフィ
マイナーな乱数調整方法のため、
無視しても仕方ないレベル
■対象個体
■性格値を特定
PC版の乱数調整ツールを使用することで、存在する個体であることが判断可能
今回のIDは約9分待機が必要であるが、乱数調整するには可能な範囲である
9.【上級者向け】補足情報
9-1.改造ツールの仕様
性格値の整合性は考慮される
改造ツールの判定では
性格値と個体値の相関性は考慮されており、不整合の場合はエラーが出る仕様
現実的な範囲のIDかは判断していない
9-2.裏IDを特定したい
表IDと性格値から特定
■ポイント
裏IDの候補は8つ出力され、どの範囲でも色違いとなる
1つに絞り込みたい場合
■剣盾の光り方から確認
剣盾での光り方が◆(菱型)の場合に特定可能
色違いひし形チェックツールを開く
表IDと性格値を入力し 『5世代以前』に◎をつける
裏IDは8つ出た候補を総当たりする
『色違い(◇)』となった裏IDが該当する
ID乱数の初期seedから判断
性格値ではなく裏IDで検索することで、絞り込んで検索が可能
この方法では、現実的な範囲の初期seedが複数ある場合は完全特定できない
10.まとめ
高精度に改造された個体は見抜けないが、
改造判定ツールが正規判定した個体でも見抜くことができる(ことがある)
脚注
*1:個人番号
*2:正確には4,294,836,224通り
*3:25種類
*4:32⁶=1,073,741,824通り
*5:通称:表ID
*9:DPtに捕まえた個体を持ち込むと(表示上)モンスターボールになる
*10:配布次第
*11:クラウン3犬などが『-----』になるのは改造だからではありません
*13:正確には表IDと裏ID両方一致
*14:実際は処理などで体感的には2分近く要する
*15:実際に乱数調整する際は、年月日の調整に伴い待機時間も変動する。変動差は多くても1秒程度であり誤差の範囲で収まる。
*16:第5世代以降では処理が違うため、色違い確率は変わらない
*17:PC版の乱数調整ツールを駆使すれば特定可能
*19:配達員からマナフィのタマゴを受け取った時点で色違いになると判定された場合は、性格値が再計算される。実際に色違い判定があるのは孵化したタイミング